2009/04/29
職場の人間関係における危機管理(Conflict Management)
職場の人間関係における危機管理(Conflict Management)
職場における危機的対人関係
職場の内外では、男性部下と女性上司、外国人の上司や外国人の部下、あるいは提携相手のジョイントベンチャーや外国企業などコミュニケーションや意思決定プロセスにおいて誤解が発生したりネガティブな反応に影響を受けたりすることがあます。それが決定的に重要な問題をはらむようになると部門ないし企業のVMS達成の障害になることもありえます。これらを上手にマネジメントする技術は、interpersonal skillと呼ばれます。特にコンフリクトを生じたときの対応について問題解決が迫られます。
職場の対人学Interpersonal Skillとは。
Interpersonal skillについてはアメリカ合衆国では行動科学の面からの研究が進んでいました。ワークショップに参加することで解決方法を体得する方法論が一般です。たとえばSherod Miller によると、職場のコミュニケーションスタイルには4つの類型があります。
第一のスタイルはsmall talk やshop talk と呼ばれちょっとした世間話のレベル。
第二のスタイルは、Control talkや fight talk やspite talkでありリーダーシップを示したり強引に服従させたり、場合によってはプレッシャがかけられた中での緊張関係やひねくれた誤解が生まれるというわけです。
第三のスタイルはsearch talkといわれ原因探求のための瀬踏みである。
第四のスタイルはstraight talkといわれ課題や状況の核心にいきなり迫る言い方をいいます。
それぞれのスタイルのもつインパクトは異なりますが、対処すべき重要な課題のあるときはstraight talkがもっとも効果があるとされます。しかし劇薬でもあるのでその使い方を学ぶわけです。
職場のコミュニケーションの重要性
こうした職場のコミュニケーションの破綻を防止し明確で漏れのないメッセージを伝え、問題解決と意思決定のしかたをラポート(相手と心を通わせること)と信頼関係(トラスト)の中で行うことができるようになるなどのメリットがあるとされます。
筆者の経験では、これにより対人関係でのストレスを低下させたり正確なフィードバックを与えたり受取ったりできるようになり怒りの処理や対立の解決に役立ったと評価できるものです。特に日本企業では等質なムラ社会であるのでこうしたスキルを意識的に駆使できるようになると一層の交渉力アップとコミュニケーション能力の向上に大きな力を発揮できると思われるます。特にグローバル化した経済の中では交渉相手が外国人であることも多く、こうしたスキルは必須であると思われます。それなのに十分な訓練がなされているとはいい難いところに問題があるのです。
対人関係の技術の重要性
こうした対人関係の技術は、日本企業が最も軽視しているものでしょう。前述のチーム・ビルディングと組み合わせれば、さらに効果は増大すると思われます。新人のみならず中堅層やベテランにとっても意味がありさらには職場以外でも、家庭やその他の組織においても意味を持つ方法論です。その意味で、経済人モデルの人間のみならず、社会人モデルの人間にもまた自己実現型人間にとっても有意義なスキルだと思われます。