2009/05/11
「戦略人事」とは?
戦略人事とは何のことでしょうか?
ポイント
戦略人事の考え方とその有用性
人材こそが企業成長を担うといえます。「戦略人事」は人事部の役割が成長戦略実現への貢献であると考えるのです。成長の原因を作り出す点に戦略人事の有用性があるのです。
では、なぜ,戦略人事なのでしょうか?
「戦略人事」とは,人事部の役割を「経営戦略実現のためにある。」とする考え方をいいます。このように人事をstrategicに考える見方は,決して目新しいことではありません。現代のグローバル企業では,多種多様な人材を結集して初めて成長できるのですから,ごく普通に,人事は経営戦略実現のためにあると考えられているのです。実際上も欧米グローバル企業トップが人材評価・育成にコミットし,人と組織をレビューするのに費やす時間は、なんと年間公式20日以上(GEのイメルト会長の場合)という事実からも,いまや戦略人事はむしろ経営戦略それ自体といっても過言ではありません。
「原因なくして数字なし。」
「原因なくして数字なし。」――これは、経営目標を示すときに特に注意を要することです。というのは、えてして経営層は財務目標値を予算として提示してその達成度合の評価に意を尽くしがちです。しかし、数字だけが突然よくなったり悪くなったりするのでなく,仕事が実際に動いている現場に,必ずなにかしらその原因があるのが普通です。そしてその原因は、実は現場の人間の行動を雄弁に物語るのです。数字を改善しようとして数値目標を掲げるのでは,話があべこべなのです。実際に何が行われているかを知る。その理由や動機を知る。そこを変えれば,数字は変わるといえるのです。
「原因なくして数字なし。」――もし問題があるとすれば,その問題事実をまず目視し確認し,その現場にかかわる人の理由と動機を探索しなければなりません。
問題事態だけではありません。 たとえば、イノベーション(変革)を起こそうとする場合であっても,現場の理由や動機が鍵(かぎ)になるのです。
よくても悪くても原因を作り出すのは人です。成長戦略実現のために人の力を生かす人事なくして,結果(成果)は出ないといえます。戦略人事は,数字の「原因」に着目するからこそ,経営上の課題に挙がってくるといえるのです。