2009/09/16
「漂流」する従業員たち (ロンドンの場合)
BBCニュースの衝撃
BBCニュースが流れたのは、2008年4月21日のことです。(Monday05:17GMT UK)。そこで「10人の従業員の4人以上が来年仕事を辞める」というショッキングな調査結果 が発表されたのです。
考えてみれば誰でも今の仕事をいつかは辞めるはずではありますが、「来年に辞める」と期限をつけているところがこのアンケートのミソなのです。
しかも40%という割合には少々びっくりさせるものがあるのは事実です。貴方の会社の営業部10人のうち4人以上が来年辞めるとしたら部長の貴方はどうしますか?というわけで、イギリスでその週の人事や経営の話題を独り占めしたものです。
さて、これはまだリーマンショック前の話です。その後のロンドン労働事情はどうなっていることでしょうか。
辞めたい理由は、「不合理なほどに仕事量が多い」ために「給与が低い」とか「キャリアパスが欠けている」という意識を生み出しているということだそうです。また、従業員の半数が、最初に配属されたとき以後満足なサポートを受けられていない、4分の1以上の従業員は彼らの上司からのサポートがない、と訴えているのです。ここらが日本と違うかもしれません。上司からのサポートなどということがあるかないか、が離職理由になるでしょうか?
‘Drift and depart’(漂流し、別れ行く従業員たち)
入社後1-2年の従業員はとくに離職したがっている。「かくも高い割合の従業員が働く意欲をなくしているという事実というだけでなく、有能な従業員でさえ(会社から去るために)ドアに向かっている」という憂慮すべき事態を明らかにしたと、この調査機関Investors in PeopleのCEOは述べています。
従業員はサポートを求めているといいます。パフォーマンスに対する「効果的な」フィードバック(とくにキャリアパスとトレーニング時にそのフィードバックを受けたいと思っていること)を求めているというわけです。「従業員は、これなしには、企業目的に深く関与し続けるよりもむしろ漂流し、分かれ行くことになるだろう。」
さらに調査結果は語ります。「デモチベーション(意欲を失うこと)は、大企業でより深刻な問題になっている。」というのは、5000人以上の大企業でデモチベートあるいは全く意欲を失っていると答えた割合は39%であり、50-250人の企業の30%より多いというのです。そして、公共セクターのワーカーのモチベーションは最低だというわけです。
さて、日本ではどうでしょうか?
[...] これで、非常に興味深いのは、1年前のロンドンでは同様な調査結果(この1年内に退職するつもりのヒトが40%を超えた!)がありましたが、%がロンドンの2倍以上だということです。 [...]