2009/04/24
究極の報酬
究極の報酬
古典的な「マズローの欲求段階説」 にいうところの最高位の「自己実現の欲求」は金銭では満たされないものなのだから、素晴らしい高業績者にはesteem + recognitionこそが意味を持つ、つまり、経済危機で不安感にさいなまれる従業員たちに「サイキック・インカム」を補償する意味がある、という考え方も欧米では提示されています。
(Strategic recognition bridges the no-bonus gap by feeding your employees needs for psychic income-social acceptance, increased self-esteem and self realization that can never be met through compensation. (Mr.Derek Irvine グローブフォース社による)
サイキックインカム(Psychic Income)とは。
ここでサイキック・インカムとは何かというと、一言でいうとすると、”Thank you”と云うことで人々のモチベーションを向上させることをいいます。要は、これが「非金銭的報酬の本質だ」というのです。たとえば、すばやく”Thank you”と云うことは、「ノー・コスト」なのに、驚くべき多くの見返り(innumerable dividends)をもたらす、というわけです。
職場で、役員・管理職・スタッフに至るまでその同僚・上司・部下のどのような行動が賞賛され、認められる(acknowledgement)に値するか、つまり”Thank you”と云うことに値するかを積極的に発見すること、そして、頻繁に”Thank you”と云うことが企業文化をチェンジするインパクトを与え、強い組織に変身させるというわけです。言い替えると、P/L(損益計算書)上のコストをかけずにB/S(貸借対照表)上の人的無形資産価値を増強させるというわけです。
部下からもらう報酬とは。
サイキックインカムの例示に「上司」がはいっているということは、部下が上司に対して”Thank you”と云うことを意味します。しかし、そもそも上司の行動様式が素晴らしいと上司に対して部下が褒めるという企業文化が存在する職場が日本にあるでしょうか?
ところが、米国では存在しているようです。実際、企業セミナーや大学の授業でも、受講生が先生を評価する評価シートの書き込みはクラス終了後行うのは今や日常茶飯事です。職場でも、業績評価時の360度評価のタイミング(多くは年2度)でそれが行われるのはわかりますが、それ以外の時期に、頻繁にこうしたthank-youが日常的に部下から上司に贈られるというのは、やはり新しい企業文化なのかもしれません。