2009/07/27

財務と人事部の関係

_MG_3596財務と人事部

また,CFOの視点から、人事部との関係を見直してみるとどうでしょうか。

例えば,全社の商品開発戦略の洗い直しを行い,今はまだ収益性のまったくない「種」(タネ)だが将来が見込まれる部門に対し,限られた優秀人材を投入するという戦略的決定をしたとしましょう。

そのための人材オプションをどうするかが問題となります。どんな選択肢が可能でしょうか。
オプション①:成功プロジェクトから優秀な人材を引き抜き,「種」の部門に異動させる(そうなると収益性のまだ薄い部門の人件費負担がかなり増えてしまうことになるでしょう)。
オプション②:全社的な10%経費削減工作で原資を生み出し,(内部異動でなく)外部から高給で高度に経験値の高い人材を獲得する(そうなると経費を削減された部門はその戦略への理解がないと納得はできないでしょう)。
オプション③:経常利益の配分のうち30%を内部留保に当て,それを将来最も収益を生み出すことが見込まれる部門の人材獲得に回す(もしそうするなら株主の了解が必要だ)――などの施策が必要となるでしょう。
すなわち、人事政策は,実は財務政策と表裏一体ですから,必然的に人事部長とCFOはコラボレーションすることになります,いやそれ以上に,CEO,CFO(財務経理担当役員),HRD(人事部長)あるいはCHOは, 常に経営としてひとつのビジョンの下にチームアップすることが重要だということになります。

このように、人事はいまや成長戦略の「原因」にかかわる中核的役割を果たすべき時期に来ているといえるのです。


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