2009/04/29

メンタル・ヘルス問題の解決とは

1068-1238314434kwfsメンタル・ヘルス問題の解決とは

職場でのメンタルヘルスは最近大きな問題となっています。

通常これは「職場での鬱病」として認識されています。そして今や、その発生率はどの職場でも平均5%をこえているといわれます。従ってメンタル・ヘルス問題は、決して特殊なことがらではなく、普遍的に常に対応準備を要する人事処遇上の問題点といえるのです。

メンタルヘルス問題への企業の対応

企業の対応としては、まず第一に早期発見です。

ところが、実務的には、どうすべきかという提案として、日常的に定期的なミーティングを行い、上司たちが部下たち全員とこのようなミーティングをもつことで、早期に異常を発見し上司がフランクに観察結果をフィードバックして本人の自覚をまつという方策が提唱されています。

ミーティングでメンタル問題を早期発見できるのでしょうか

しかし、実際上その上司との間の感情的問題が部下のメンタル的異常の発端であることもあるのです。従って、こうしたミーティングの意味は過大評価すべきでないでしょう。

メンタルでの休職に伴う問題

また、会社に来ることが不可能となった場合、病気休職することとなります。しかし、休職の間少し回復したからといって安易に復職させるとまた調子が悪くなり休みを繰り返すようになることが多いのです。そのため、かえって同僚や顧客の信頼を失って本人にとって最悪の結果を招くことがあります。そこで復職には完全回復を前提とし、最低でも休職1年間は完全に会社の情報を遮断し、会社から解放されて、自由に生きてもらい、治療して、そのうえで復職の決断をしてもらうことがもっとも本人のためになると思われます。

メンタルからの回復基準

回復といっても復職するには、朝に仕事を始めてから帰社時間まで会社にとりあえずいられることが復職判断基準とされています。そして、企業側としては同じ部署に復職させるのが原則だとされている以上、休職以前と同様のスキルと能力発揮を求めるのが通常ですから、主治医ないし産業医の判断とギャップがある場合がでてきます。その場合あくまで本人の意思を尊重し、周囲と会社の期待どおりの能力発揮ができるという自信が本人にあるかぎり会社側からいわば強制的に異動させたり降格したりすべきではないと考えるべきでしょう。あくまで納得と理解が、復職するプロセスを支配する論理だと思います。

メンタルからの回復と職場復帰

しかし、問題は職場の周囲とのコンフリクトです。特に給与が高く期待される役割が大きかった休職者ほど休職中の補完作業の負担が大きかったわけですから、その反動から、復職当初からフル稼働が求められ、本人にストレスがたまることが多いのです。その点、理論的には徐々に役割遂行の負担を増やすべきですが、特に「役割」に基づく人事給与制度のもとでは説明がむつかしくなる事態が想定されます。そのため、人事給与制度上もこうした例外的ケースについてルールを記述しておくことがのぞましいといえます。

メンタルからの職場復帰ルール

問題は、こうしたプロセスに関して現在の就業規則では明確に記述がなされていないことがあるということです。復職の判断基準や手続きについては明確に就業規則にルールを記載すべきでしょう。発生率5%の現状では、ルールなき運用はコンプライアンス上も問題が大きいと思われます。


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