2010/01/25

リーダーシップとヘッジホッグ理論

21ハリネズミと狐の話

リーダーに求められる資質を考えるとき、「Hedgehog Concept」理論が役に立つかもしれない。これは「ハリネズミ理論」という訳がついていることがありますが、James C Collinsの『Good to Great』(邦題「ビジョナリーカンパニー 飛躍の法則」日経BP山岡洋一訳)にある話で、アイザイア・バーリン随筆「ハリネズミと狐」のことです。

どういう意味かというと、世間にはハリネズミ型と狐型の人間がいるというわけです。「狐はいろいろなことを知っているが、ハリネズミはたったひとつ、肝心かなめの点を知っている。」狐は、いろいろな作戦を考えてハリネズミを捕らえようとする。ハリネズミはいろいろな知恵は持っていないが、外敵から身を守る方法は知っている。ハリネズミよりも狐のほうがはるかに知恵があるのにも関わらず、狐はハリネズミを捕らえることができない。いつも勝つのはハリネズミのほうである。つまり、物事やビジネスの本質を理解する者が強者だということだというのです。本質への直観力が一番大切ということです。

ハリネズミはなぜ狐より強い?

ではハリネズミ型人間とは何なのでしょうか。まず自分の仕事について考えてみると、まず第一に、持って生まれた能力にぴったりの仕事であり、その能力を生かしておそらくは世界でも有数の力を発揮できるようになる(自分はこの仕事をするために生まれてきたのだと思える。) 第二に、その仕事で十分の報酬が得られる(これをやってこんなにお金がはいってくるなんて夢のようだと思える。) 第三に自分の仕事に情熱をもっており、仕事が好きでたまらず、仕事をやっていること自体が楽しい(毎朝、眼が覚めて仕事に出かけるのが楽しく自分の仕事に誇りを持っている)。

これは仕事人間ということではないでしょうか。この3つの輪の全部を満たす「真ん中部分」を見つけ出して自覚すれば、物事やビジネスの本質を理解する最強の仕事人、すなわちハリネズミ型人間になれるというわけです。その場合、チェックすべきは、どうすれば情熱を刺激できるか、ではなく、自分はどのような事業になら情熱をもってやれるのか、を探しだすことがカギだというのです。


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