2009/08/14
CSRと人事部の役割
CSRと人事部
もちろん,今後の人事部の役割は,戦略実現のためだけにあるのではありません。
たとえば、過重労働禁止,社会保険の適正運用,正しい給与の支払いなど,労務コンプライアンスの守り手としての役割は今まで以上に重要になるといえます。最近のニュースをにぎわすコンプライアンス問題は,企業の成長基盤自体を揺るがす重大な経営課題といえます。
これは企業存立のミニマムスタンダードにすぎませんが,戦略人事を実践するうえでも軽視することはできないのです。たとえば、「名ばかり管理職」問題や職場のセクハラ・パワハラ問題のような人事・労務コンプライアンス上の違法行為や不適切な措置が訴訟になる可能性のある場合、いわゆる「隠れ債務」としての財務上のリスクとして認識される事態さえ想定されるのです。このことは、あまり従来は強く意識されていなかったことですが、人事上の問題が財務上のリスクにもなりうることを意味しています。