2009/04/24
マズローの欲求段階説
マズローの欲求段階説
これは古典に属する説です。しかし、考える価値はある心理学的ものの見方でもあります。
アブラハム・マズロー(1908年~1970年 A.H.Maslow アメリカの心理学者)は,彼が唱えた欲求段階説の中で,人間の欲求は,5段階のピラミッドのようになっていて,底辺から始まって,1段階目の欲求が満たされると,1段階上の欲求を志すといいました。
人間の欲求には段階があり、それには,生理的欲求,安全の欲求,親和の欲求,自我の欲求,自己実現の欲求の5段階がある、と彼は分けてみた。生理的欲求と安全の欲求は,人間が生きる上での衣食住等の根源的な欲求,親和の欲求とは,他人と関りたい,他者と同じようにしたいなどの集団帰属の欲求で,自我の欲求とは,自分が集団から価値ある存在と認められ,尊敬されることを求める認知欲求のこと,そして,自己実現の欲求とは,自分の能力,可能性を発揮し,創造的活動や自己の成長を図りたいと思う欲求のことをいいます。
このマズローの欲求段階説の説明の面白いところは、それぞれ下位の欲求が満たされて始めて次の段階の欲求に行くといっているところです。つまり、確かに生存が脅かされている状況下では、いくら最上位のことを求めてもそれは無理ということだ、というわけです。別に下位だから価値がないといっているのではないことに注意が必要です。
三段階目の親和性とは集団帰属のことをいっています。だから会社帰属というのは、生存確保をしてくれる前提となっているわけですね。国家も同じでこれに帰属しないとパスポートをもらえず外国へいっても自国民として保護してもらえないということです。
問題は、帰属欲求が満足した後に現れます。帰属の後に自我の欲求がでてくる。つまり自己実現ということです。自己実現は二つあります。ひとつは、仕事の遂行や達成。もうひとつは、そのこと(成功)により他人から注目され賞賛されること。これは、心理的には実は金銭とは直接結びついていない、というところがミソです。
最後の自己実現の欲求になると、もはや自分のやりたいことをやらせてくれ!というわけで研究欲求、平和追求、芸術観賞というように、それはもう金銭的欲求から切り離されていることに気づかされます。このような場合、(金銭的報酬がなくても)もしそこに人から賞賛されたいという気持ちがあるなら、この1段下の自我の欲求に区分されるということになります。つまり、自己実現とは無償性に特色があるのです。