2009/04/29
部門間の目標の重さに差はないのでしょうか?
部門間の目標の重さに差はないのでしょうか?
部門間の目標値の重さの違いはどうなのでしょうか?
たとえば、他の部門で当該部門の成果物を受取り、その内容を評価することは、当然あるでしょう。たとえば商品開発部で開発した商品が、営業部門で実際に売れるかどうかなど。この場合、商品開発部門での目標設定時に営業部門のコミットをどのようにもらっておくのかに関わることがらです。その商品を開発したら、どのくらいの売上見込みがたつのかは商品開発部の目標設定時に確認しておくべきことがらです。そのコミットや約束を予め商品開発のプロセスに組み込んでおくことが大切なのです。それが達成されればその時点で(まだ売上がたってなくても)商品開発部門の目標は達成したことになります。そして、そのコミットや約束の実行に関しては今度は営業部門の目標設定に関わることになります。
このようにきちんと部門間の目標設定を関連付けてプロセス管理が徹底しておくことも、合理的な目標設定の副次的意味となります。このような意味での「甘い、辛い」という疑問は、部門間でのすり合わせ、つまり合意(共通認識)されていないために起こるのです。それを後になって部門長同士が部門間調整会議で調整しようとすることじたいおかしなことではないでしょうか。目標はどこに行ってしまったのでしょうか?
他の部門の成功・不首尾への影響度合をどう考慮すべきか。
とはいえ、商品開発に成功してその時点で成果100%だとしても、売上がまったくでなかった場合、商品開発目標は達成したとして、満点スコアをだしていいのでしょうか?商品開発する以上一定額の売上コミットメントが営業部からはいって、それを前提に開発する。それがなければ開発しない。開発に成功しても売れなければ、商品設計に間違いがあったか、売り方がまずいか、そもそもニーズがなかったか、のいずれかです。その売上未達成の責任は、はたして営業部か商品開発部か、どちらでしょうか?
これは、評価制度の運用上、批判的な疑問としてよく投げかけられる課題です。
結論的には、これは後理屈の世界を評価に取り込むことの是非であって、自作自演でなければ、後処理について責任を取る必要はないと考えるべきでしょう。そういう商品開発じたいが成功しても、まったく売れなかったとしても、開発決定時点でその部門の使命・商品戦略が全社的に妥当とみなされた以上、後からたとえば支払われた成功報酬やボーナスについても返却させられることは、ありません。だからこそ、経営側も部門長も当人も、初めの目標設定がたいへん重要なのだと自覚することが必要なのです。