2009/10/19

営業部における組織と倫理 (1)

tm_10営業における倫理

営業担当者としては、所属する組織をある意味で代表として顧客と向かい合い、そこで営業成績を高める動機があります。

営業担当者が日常の営業活動の中でさまざまに直面するシナリオの中で、どのような動きをすべきか、頭を悩ませる事態・いわゆる問題事態(ここでは、これを「シチュエーション」といいましょう。)は少なくありません。「シチュエーション」は、営業担当者の所属する組織の中で起こることですから、組織としてそれをどう取り上げるべきかという問題と、その場面に遭遇した同僚や先輩など所謂職場で、どのように対処するのか、そしてなにより、当事者である営業担当者個人としてはどのように行動するのが妥当なのか、それをしっかりと研究してみましょう。そこには、回答一発終わりということではありません。みなさんなら、どのような行動をとるでしょうか。
また、ある行動を選択した場合に、それに対する評価はどのように組織はとりあげればいいのでしょうか。

あくまでシナリオではありますが、多かれ少なかれ、こうしたことは営業現場では実際におこることですので、それに対するシミュレーションをしてみるのも非常に意味があります。一見すると、とても深刻な問題をはらむとはいえない、ちょっとした「手練手管」「戦術」あるいは「許される行為」かもしれません。このような行動に対してみなさんは、どう思われますか?そして、もしみなさんだったら、どう対処・行動しますか?

「シチュエーション」No.1 

営業担当者Yさんは、交渉で価格を最善のものにしたかったので、原価構成について交渉相手に理解を求めようと思い、Y」さんは交渉相手の購買担当者に対して、「この製品の人気は高いので、生産設備は非常に高い稼働レベルにある」と営業トークを展開しようとしています。しかし、実際には稼働レベルは低いのです。

「シチュエーション」No.2

営業担当者Dさんは、得意先顧客が時々、どの製品をうちの会社に推選できるか、アドバイスしてほしいと聞かれます。そのとき、Dさんは顧客の実際のニーズに関係なく、製品ラインのうち最も効果な品目を、高性能を理由に推選しようとしています。

 
「シチュエーション」No.2

複写機の営業担当者Cさんは、年間販売ノルマで5000万円を達成する必要があり、それがボーナス査定に影響する事態となっています。その年の最終計上月時点でCさんの営業成績は、あとノルマに200万つまり2%ばかり不足する事態だったのですが、当該月末近くになって、計上の締め切りが近付いてもノルマに約100万下回っています。そのときようやく最後の注文80万が発注されました。ノルマを達成しようと、Cさんは顧客に告げずに注文を2倍にして160万にして伝票を上げ、年度ノルマを達成できました。Cさんとしては、この最後の発注に関しては顧客に対して受注処理部署が間違って伝票を書いてしまったと告げることにしました。そうしたとしても、この顧客は以前からの関係を考慮してわざわざ商品を返却などせずに使用部署を探してこの倍の2台分の複写機注文を受け入れる見込みが高いと思っています。

(マイケル・D/ハット + トーマススペイ による設定を一部修正しました。)


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